MDaemonには、セマフォファイルという機能が搭載されており、これを使って特定のアクションを実行する事ができるため、幅広い目的で使われています。MDaemonは定期的に\APPディレクトリをスキャンしセマフォファイルの有無を確認します。セマフォファイルが見つかると関連するアクションを実行し、その後セマフォファイルを削除します。これにより、管理者や開発者は、MDaemonのインターフェイスで実際に作業することなく、MDaemonを簡単に操作することができます。セマフォファイルとそれぞれの目的は次の通りです。
FILENAME |
ACTION |
ACLFIX.SEM |
ACLファイルのクリーンナップ処理を実行します。 |
ADDUSER.SEM |
このセマフォは新規アカウントを作成します。これにより、ユーザデータベースの再構築を行うことなく、新しいレコードをUSERLIST.DATファイルの末尾に追加することができます。 このファイルの各行は、MDaemon API(MDaemonの\docs\API\フォルダ内のMD-API.html を参照)のアカウント管理機能で定義されているフォーマットと一致する必要があります。複数の新規アカウントの追加も可能で、1行に1つのアカウントレコードを指定します。 MDaemon は1行ずつファイルを処理し、各新規アカウントを追加して行きます。更新中にADDUSER.LCKファイルを作成して、ファイルをロックすることも可能です。これにより、MDaemonはADDUSER.LCKファイルが削除されるまで、ADDUSER.SEMファイルを処理しません。ADDUSER.SEMファイルのサンプルは、APPディレクトリの ADDUSER.SMPをテキストエディタで開いて参照することができます。 |
ALERT.SEM |
ファイルが作成された時にWebmailにログオン中の全ユーザへ、セマフォファイルの内容を表示するポップアップウィンドウを開きます。しかし、全ユーザへ瞬時に表示されるわけではありません。ユーザごとのブラウザがWebmailサーバへリクエストを送信した時点で表示されます。 注意: 他のセマフォファイルとは異なり、このファイルはWebmail特有のものです。これはMDaemonの\app\ディレクトリではなく\MDaemon\WorldClient\ディレクトリに配置する必要があります。 |
ALIAS.SEM |
エイリアスデータファイルをリロードします。 |
AUTORESPEXCEPT.SEM |
自動応答の例外ファイルをリロードします。 |
BATV.SEM |
バックスキャッタ保護(BATV)データファイルをリロードします。 |
BAYESLEARN.SEM |
このSEMは手動でベイジアン学習を開始します。これはスパムフィルタのベイジアン画面にある[学習する]ボタンと同じ動作をします。 |
BLOCKLIST.SEM |
ブロックリストデータファイルをリロードします。 |
CFILTER.SEM |
コンテンツフィルタルールを再ロード、コンテンツフィルタのキャッシュデータの消去、スパムフィルタの 許可リスト (フィルタなし)をリロードします。 |
CLEARQUOTACOUNTS.SEM |
ユーザのクォータチェックの結果は、MDaemonのquotacounts.datファイルに保存されます。このキャッシュデータをクリアする場合は、このSEMファイルに、ユーザのメールアドレスを追加し、\appフォルダに配置しててください。アスタリスク(*)が記載されている場合は、ファイル全体が削除され、キャッシュにあるクォータカウントが無効になります。 |
CREDSMATCHEXEMPTLIST.SEM |
該当する除外リストリロードします。 |
DNS.SEM |
Windows DNS servers とスパムフィルタのDNS設定をリロードします。. |
DOMAINSHARING.SEM |
ドメイン共有データファイルをリロードします。 |
EDITUSER.SEM |
このセマフォは時間のかかる再構築を行うことなく、USERLIST.DATファイル内の特定ユーザーレコードを更新するために使用されます。USERLIST.DATファイル内の特定のレコード更新をするためには、EDITUSER.SEMというファイル名でファイルを作成し、一行一ユーザー毎に更新用のレコードを記入します。各レコードはUserlist File Formatで説明されている通り、USERLIST.DATファイルのフォーマットと同じである必要がありますが、元のレコードと同じメールアドレスとカンマから始まる必要があります。MDaemonはEDITUSER.SEMファイルを一行毎に処理します。EDITUSER.LCKファイルを作成し、MDaemonがEDITUSER.LCKを削除するまではEDITUSER.SEM処理を行わないようにする事もできます。EDITUSER.SEMのサンプルを確認するには、/APP/フォルダ内のEDITUSER.SMPをテキストエディタで開いて下さい。 |
EXITNOW.SEM |
MDaemonを終了します。 |
GATEWAYS.SEM |
最適なパフォーマンスのために、MDaemonではゲートウェイのリストをメモリに置きます。MDaemonのAPP ディレクトリへGATEWAYS.SEMを作成すると、GATEWAYS.DATがリロードされます。 |
GREYLIST.SEM |
グレーリスティングデータファイルをリロードします。 |
グループS.SEM |
アカウントグループデータファイルをリロードします。 |
GRPLIST.SEM |
メーリングリスト名の内部キャッシュをリロードします。 |
HANGUPG.SEM |
接続されているRASセッションを暫定的に切断させます。MDaemonは処理中のメールセッションの終了を待ち、RASセッションを切断します。 |
HANGUPR.SEM |
RASデバイスを無条件に切断します。これは接続中のメールセッションに関係なく即時に無条件に切断します。 |
HOSTSCREEN.SEM |
ホストスクリーンデータファイルをリロードします。 |
IPSCREEN.SEM |
IPスクリーンデータファイルをリロードします。 |
IPSHIELD.SEM |
IPShield.datはアクセススピード向上のためにメモリへキャッシュされます。IPSHIELD.SEMはこのファイルをメモリへリロードするのに使用できます。 |
LDAPCACHE.SEM |
LDAPとゲートウェイのユーザーデータファイルをリロードします。 |
LOCKSEMS.SEM |
ユーザがLOCKSEMS.SEMを削除するまで、セマフォファイルの処理を停止します。 |
LOG設定.SEM |
ログファイル設定をリロードします。 |
MDSPAMD.SEM |
すべての設定データを再初期化し、スパムフィルタ許可リストおよびMDSPAMDを再ロードします。 |
MINGER.SEM |
Mingerの停止と再起動を行います。 |
MXCACHE.SEM |
MXキャッシュのデータファイルをリロードします。 |
NODNSBL.SEM |
DNSBLの許可リストファイルをリロードします。 |
NOPRIORITY.SEM |
NoPriority.datファイルを強制的にリロードします。 |
ONLINE.SEM |
RASを使用してISPへの接続に成功すると、MDaemonはこのセマフォファイルを作成します。接続が終了すると、MDaemonはそのセマフォファイルを削除します。これは MDaemonがRASサブシステムを使用するタイミングを知りたい場合に便利です。 |
POSTDIAL.SEM |
このファイルは、MDaemonによって開始された接続が終了した直後に作成されます。 |
PREDIAL.SEM |
MDaemonでRAS/DUNを使用する前に、このファイルを作成します。これは、外部アプリケーションが、MDaemonでいつダイアルアップポートを解放するか検出する際に使用されます。 |
PRIORITY.SEM |
優先メールデータファイルをリロードします。 |
PROCBAD.SEM |
Badキュー内のメール配信を開始します。 |
PROCDIG.SEM |
メーリングリストダイジェストの構造および配信を始めます。 |
PROCHOLDING.SEM |
Holdingキュー内のメール配信を開始します。 |
PROCNOW.SEM |
リモートメールのチェックを開始し、Remoteキューにあるメールの配信をします。 |
PROCREM.SEM |
MDaemonは即座にメール処理モードに入り、すべてのリモートメールを処理します。 |
PROCRETR.SEM |
Retryキュー内のメール配信を開始します。 |
PRUNE.SEM |
古いメールとアカウントの消去プログラムを実行します。 |
PUBLICSUFFIX.SEM |
Public Suffix ファイルをリロードします。 |
QUEUE.SEM |
このセマフォファイルはメールキューの有効化/無効化を行うのに使用されます。ファイルには任意の行数を記入できますが、各行に次の値が必要です:ENABLE INBOUND, ENABLE REMOTE, ENABLE LOCAL, DISABLE INBOUND, DISABLE REMOTE, DISABLE LOCAL |
RESTART.SEM |
MDaemonを再起動します。 |
RESTARTCF.SEM |
CFEngine.exe(コンテンツフィルタの実行プログラム)を再起動します。 |
RESTARTWC.SEM |
MDaemon Webmailの停止と再起動を行います。これはMDaemon Webmailが 内蔵ウェブサーバー で動作している場合のみ機能します。 |
RELOADCACHE.SEM |
コンテンツフィルタの設定とファイル以外のすべてのキャッシュされた設定をリロードします。 |
REVERSEEXCEPT.SEM |
リバースルックアップの例外ファイルをリロードします。 |
SCHEDULE.SEM |
スケジュールデータファイルをリロードします。 |
SENDERBLOCKLIST.SEM |
送信者ブロックリストをリロードします。 |
SPAMHONEYPOTS.SEM |
スパムハニーポットデータファイルをリロードします。 |
SPF.SEM |
SPF, DKIMおよびVBRデータファイルをリロードします。 |
SUPPRESS.SEM |
ブロックリスト設定をリロードし、ドメイン設定のキャッシュをクリアします。 |
TARPIT.SEM |
DynamicScreen.datファイルをリロードし、ターピットをリロードします。 |
TRANSLAT.SEM |
ヘッダ変換データファイルをリロードします。 |
TRAY.SEM |
システムトレイ内のMDaemonアイコンを再描画します。 |
TRUST.SEM |
信頼されたドメインおよびIPアドレスは、最適なパフォーマンスのため、メモリに常駐します。手動でこれらの設定を再ロードする場合に、TRUST.SEMを作成します。 |
UPDATEAV.SEM |
アンチウィルスの定義ファイルアップデートを開始します。 |
UPDATESA.SEM |
スパムフィルタアップデートを開始します。 |
USERLIST.SEM |
USERLIST.DATファイルをリロードします。これは、USERLIST.DATファイルに対する修正を行い、MDaemonにリロードさせることが必要な場合に使用してください。 |
WATCHDOG.SEM |
MDaemonは約10~20秒の間隔で、このセマフォファイルをチェックし、APPディレクトリから削除します。このファイルは、外部アプリケーションが、MDaemonの稼働状態をチェックするために使われます。このファイルが、APP ディレクトリ内に20秒以上ある場合は、MDaemonが実行されていないことを意味します。 |