MDaemonではRAWメールとして知られるシンプルで強力なメール形式に対応しています。RAWメールシステムの目的は、MDaemonのようなソフトウェアシステムが、より複雑な RFC-2822に準拠したメールを作成できるよう、シンプルで標準的なフォーマットを提供する事です。RAWのようなメール配送エージェントを使用する事で、クライアントソフトウェアは、インターネットでメール基準の順守を維持するための複雑な作業から、サーバーを解放することができるようになります。
RAWメールは、必須もしくはオプションで求められるテキストヘッダと、それに続くメッセージ本文で構成されます。ほとんどのヘッダはトークンとそれに続く <> 記号で囲まれた値から構成されており、ヘッダの各行は、<CRLF>で終わる文字列の組み合わせで構成されています。ヘッダとメール本文は空の行で分離されており、大文字小文字の区別はありｍせん。また、[From]と[To]のみが必須のヘッダ項目となります。ヘッダや本文で使われる全ての文字列はプレーンなASCIIテキストで、(例えば[my-message.raw]のように)[.raw]の拡張子で終わるファイルである必要があります。メールを配信用にキューへ送るには、MDaemonのRAWキュー(通常はC:\MDaemon\Queues\Raw)に[*.raw]ファイルを配置します。
コンテンツフィルタを回避
デフォルトでは、RAWメッセージは通常のメッセージと同じようにコンテンツフィルタによってフィルタリングされます。RAWメッセージをフィルタから回避する場合は、ファイルの前をpあるいはPから始めます。例えば、[P_my-message.raw]というファイルは、コンテンツフィルタを回避しますが、[my-message.raw]というファイルはコンテンツフィルタによってフィルタリングされます。
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コンテンツフィルタを回避させると、DKIMはメールへ署名を行いません。MDaemonが全てのメールへ署名を追加するよう設定している場合、これは潜在的な配信エラーの原因となる場合があります。コンテンツフィルタを回避したRAWメールへ署名を追加するには、この後に説明するx-flag=signオプションを使用してください。 |
RAWヘッダ
From <mailbox@example.com> |
このフィールドは送信者のメールアドレスを含みます。 |
To <mailbox@example.com [, mailbox@example.com]> |
このフィールドは受信者のメールアドレスを含みます。受信者が複数の場合はカンマでそれぞれを区切ることによって指定することができます。 |
ReplyTo <mailbox@example.com> |
このメッセージに対する返信の送信先を指定するオプション項目です。 |
CC <maibox@example.com[, mailbox@example.com]> |
このメッセージのカーボンコピー受信者のオプションのリストです。カーボン受信者が複数の場合は、カンマでそれぞれを区切ることによって指定することができます。 |
Subject <text> |
オプションのメール件名です。 |
Header <Header: Value> |
メッセージ内に明示的にヘッダと値の組み合わせを配置することができます。これにより、カスタムあるいは他の標準的でないヘッダを[*.raw]メッセージに入れることが可能になります。 |
RAWでサポートされる特別なフィールド
添付ファイルとエンコード
x-flag=attach <filepath, method> [-x]
例: x-flag=attach <c:\utils\pkzip.exe, MIME> -x
このX-FLAGは、 <> 内の2つのパラメータと共に[ATTACH]値を指定します。最初のパラメータは、メッセージへ添付されるべきファイルの完全なパスです。2番目のパラメータは、カンマによって最初のパラメータと区切られ、メッセージを添付する時に使用されるエンコードの方法を指定します。MDaemonは、このパラメータの2つの値をサポートします。MIME方法は、インターネット標準のBase 64のメッセージエンコードを使用するようにサーバへ指示します。ASCIIの方法は、そのメッセージにファイルをインポートするようにサーバヘ指示します。文字列の最後のオプションの[-X]パラメータは、ファイルが添付された場合そのファイルをディスクから削除するようにサーバへ指示します。
配信状況通知
x-flag=confirm_delivery
このフラグを含むRAWメッセージをRFC-2822メールに変換する時に、文字列は[Return-Receipt-To: <sender@example.com>]という構成へ変換されます。
特定ヘッダと値の組み合わせをRFC-2822メッセージへ挿入する
header <header: value>
RAWファイルから生成されるRFC-2822メッセージに特定のヘッダと値の組み合わせを挿入する場合は、前述のHEADERマクロを使用する必要があります。例えば、[Delivered-By: mail-machine@domain.com]というヘッダを、RFC-2882メッセージに挿入する場合は、RAWメッセージ内に[header <Delivered-By: mail-machine@example.com>]と入力します。[header]マクロには、フィールドおよび値の両方が必要なことに注意してください。RAWメッセージには、必要なだけ[header]マクロを入れることができます。
DK/DKIM署名されたRAWメッセージ
x-flag=sign
このコマンドを[*.raw]ファイルに含めると、そのRAWメッセージはDK/DKIM署名されたことになります。これはコンテンツフィルタを迂回するように構成したRAWメッセージ([p]あるいは[P]で始まるファイル名)に対してのみ使用してください。フィルタを通して処理される正常なRAWメッセージに対しては、このコマンドを使用しないでください。これらのメッセージは通常に署名されます。
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コンテンツフィルタで生成されるすべてのRAWメッセージは、自動的に x-flag=signコマンドを使用します。 |
サンプルRAWメールメッセージ
サンプル 1:
from <mdaemon@altn.com>
to <user01@example.com>
Hello John!
サンプル 2:
from <user01@example.com>
to <user09@example.net>
subject <Requested Files>
X-FLAG=CONFIRM_DELIVERY
X-FLAG=ATTACH <c:\docs\files\data01.zip, MIME> -X
Here are all those files you asked for.
