MDaemon Webmailは、ウェブブラウザからメールクライアントの機能を利用するために開発された、MDaemonに標準パッケージされているウェブメールソリューションです。 Webmailは従来のメールクライアントと同等な機能はもちろん追加機能も標準搭載されており、ユーザーはインターネット接続できる環境さえあれば、こうした機能をどこからでも利用する事ができます。さらに、全てのメールフォルダ、連絡先、カレンダーが、ローカルコンピュータではなくサーバで管理されるため、ユーザーはデスクにいる時と同様に、全ての情報にアクセスする事ができます。
管理者にとって、Webmailは様々なメリットがあります。まず、Webmailは、多くのクライアントアプリケーションとは異なり、クライアントの環境に依存する事なく、サーバーで全て管理する事ができます。インターフェイスの画像やHTMLをカスタマイズすることによって、社内や顧客のニーズに沿った環境を構築する事ができます。さらに、ユーザ自身でも個人のアカウント設定が行え、設定できる範囲については環境に応じて決定できるため、管理負荷を軽減する事ができます。
最後に、ウェブメールとしての便利さに加えて、Webmailでは、拡張メール機能、30カ国語言語対応、個人・全体アドレス帳、メールフォルダとフィルタリング、添付ファイルの送受信、複数の視覚的に異なるテーマ、モバイル対応、予定表、グループウェア、メッセンジャー等、ユーザーに役立つ多くの追加機能を搭載しています。
MDaemonには、統合連携システムが搭載されており、簡単に、会議や打合せ予定を作成したり、アドレス帳を管理することができます。繰り返し予定にも完全対応しており、個々の予定の登録には、詳細な情報を記述するための多くのフィールドが用意されています。更に、連絡先、予定表、仕事などのデータは、各ユーザのメールのルートディレクトリにあるIMAPフォルダに保存されます。各ユーザはWebmailを経由して、これらのパーソナルなフォルダにアクセスすることができ、また他のユーザからのアクセスをコントロールすることもできます。すべてのテーマ (特にLookOutテーマ)には、連絡先や予定表、仕事、メモフォルダがテンプレート化されています。
予定表システムがMDaemonと一体型である事で、スケジュール管理で行うメール通知においても、追加のメリットがあります。自分以外の第3者が打合せの予定を追加した際、打合せに関する通知メールが送られます。打合せの出席予定者は、打合せの日時や場所、内容、その他出席者等の詳細情報が記載された通知メールを受け取る事ができます。更に、打合せの時間帯に既に別の予定が入っている出席者は、打合せの予定と、指定の時間に別の予定と競合している旨が通知されます。打合せの予定を追加した人は、打合せの詳細と、出席予定者に他の予定が入っているかどうかの通知を受け取ります。
また、カレンダーシステムは、Microsoft Outlookやその他のiCalendar互換のメールプログラムが使用するインターネットカレンダー(iCal)にも対応しています。カレンダーシステムは、ユーザに送られたiCalendar情報を検知し、その情報に基づいてカレンダーを更新します。ユーザが、Webmail内からiCalendarの添付ファイルを開くと、添付ファイルに含まれていた情報は、ユーザのWebmailカレンダーに反映されます。また、ユーザが新しい打合せを追加する際、iCalenderメールを送信するメールアドレスを指定する事もできます。この機能はWebmailオプションでユーザーが個別に設定できます。
MDaemon Instant Messenger (MDIM)は、MDaemonのセキュアなインスタントメッセージングクライアントで、Webmail機能へ素早くアクセスするためのアプレットも搭載しています。MDIMは、Webmailユーザ毎にダウンロードし、インストールできます。ダウンロードの時点で事前設定が行われるため、手動で設定を行う必要はほとんどありません。
MDIMは、バックグラウンドで、新規メールのチェックを直接Webmailサーバに対して行います。これにより、新規メールをチェックするために、ブラウザを開くこと、あるいは開いたままにしておく必要がなくなります。サウンドまたは視覚的なアラートによって、新規メールの到着を知らせます。また、メールフォルダのリスト、メッセージの数、未既読情報を表示します。更に、ブラウザを起動し、特定のメールフォルダへ素早くアクセスする事ができます。
また、MDIMはインスタントメッセージシステムも搭載しており、[仲間]リストの表示、それぞれのオンライン状態(オンライン離席中オフライン)、その中の一人あるいはグループ全体での会話の開始、自分のオンライン状態の設定、historyフォルダで過去の会話の確認なども行えます。
MDaemon Instant Messengerの使用方法についてはオンラインヘルプをご覧ください。
MDIMにはMDaemonのXMPP サーバーで利用できるインスタントメッセージ(IM)クライアントが搭載されています。これを使う事で、ドメイン(及びオプションとしてMDaemonサーバーで管理している別ドメイン)を共有している他のユーザーをMDIM連絡先一覧へ追加し、いつでも簡単にコミュニケーションを図る事ができます。オンラインステータスの設定や、連絡先のステータス確認、エモーションの利用、テキストカラーの設定、ファイル送信、通知音の設定、その他初期設定の管理が行えます。また、複数の連絡先と一度に行うグループチャットも利用できます。IM機能はトレイアイコンのショートカットメニューやMDIMウィンドウからも実行する事ができます。
MDIMのインスタントメッセージはスクリプトにも対応しており、独自のプログラムとも連携させる事ができます。\MDaemon\WorldClient\フォルダでセマフォ(SEM)ファイルを作成することによって、外部アプリケーションは、MDIMユーザにインスタントメッセージを送信することができます。SEMファイルのフォーマットは次の通りです:
To: user1@example.com |
MDIM ユーザのメールアドレス |
From: user2@example.com |
インスタントメッセージ送信者のメールアドレス |
<blank line> |
|
Text of instant message. |
インスタントメッセージで送信されたテキスト |
SEMファイルの名前は、"IM-"という文字に続いて重複のない数字が続きます。例えば、"IM-0001.SEM"となります。また、アプリケーション側でSEMファイルをロックするため、それぞれに対応した"IM-0001.LCK"というファイルを作成します。SEMファイルが完了すると、LCKファイルは削除されSEMファイルが処理されます。MDaemonは、今後の予定についてインスタントメッセージ経由のリマインダーを送る際に、このスクリプティング方式を使用しています。
インスタントメッセージの送信用のスクリプティング方式は、アクションとしてコンテンツフィルタの中に搭載されています。また、このアクションを使っているルールではIMのコンテンツフィルタマクロを使用する事ができます。例えば、インスタントメッセージを送るためのルールとして、次のような指定を行う事ができます。
$SENDER$からのメールを受信しました。
件名: $SUBJECT$
このルールは、MDIM経由で新しいメール通知を行うのに効果的な方法です。
従来、IMシステムの社内利用は、一元管理の難しさやトラフィックの監視機能の不足が原因で、その利用が敬遠されてきました。こうした問題を最小限にするようMDIMは設計されています。最初に、MDIMのシステムは、クライアントが直接ピアツーピアで接続しません。すべてのIMがサーバを経由するので、各メッセージはMDaemonの管理者がアクセスしやすい場所に記録されます。全ての会話を記録する事で、会社や従業員、ユーザーのセキュリティを守る事ができます。IMに関する記録は、MDaemon\LOGS\ ディレクトリにあるXMPPServer-<date>.logと呼ばれるファイルに記録されます。
インスタントメッセージはドメインごとに提供されます。インスタントメッセージの全体設定はWebmailのMDIM画面 (設定 » ウェブ とIMサービス » MDIM)から行う事ができます。 ドメインマネージャ にも同様の設定画面があり、ここからドメイン毎に設定の有効化や無効化が行えます。
MDIMのインターフェイスは、インターネットで入手できるmsstyle のスキンと互換性を持っています。様々なスタイルが含まれてはいますが、新しいスタイルをインストールするには、*.msstyles を、MDIMの \Styles\ フォルダ以下に、ファイル名と同じ名前のサブフォルダを作成し、その中にダウンロードします。例えば Red.msstyles の場合、フォルダは \.\Styles\Red\Red.msstyles となります。
Ctrl+W|Webmail|Dropboxへ新しい設定画面が追加されました。ここではDropboxの「app key」や「app secret」、プライバシーポリシーの文言を追加する事ができます。 ここでの情報は連携のために必要な情報で、DropboxのウェブサイトでWebmailをDropboxのアプリとして登録するのに使われます。これは管理者が自分で行う必要のある設定ですが、一度設定を行えば、その後の設定は必要ありません。DropboxでWebmailをアプリとして登録する手順についてはナレッジベース1166を参照して下さい。
app keyとapp secretが設定されると、Webmailから各アカウントがDropboxアカウントへ接続できるようになります。ユーザーがWorldClientやLookOutテーマで最初にログインした際、ページの上部へドロップダウンメニューが表示されます。ここへは「次回ログイン時にドロップダウンメニューを表示」「今後このオプションを表示しない」「新しいオプション |クラウドAppへ移動する」という3つのオプションがあり、Dropbox設定ボタンを押す事ができます。このボタンを押すとOAuth 2.0ポップアップが表示されます。ポップアップではユーザーの接続先やWebmailで必要な認証情報の詳細が表示されます。また、ここへはプライバシーポリシーと「Dropboxへ接続」ボタンが表示されます。ユーザーが「Dropboxへ接続」ボタンをクリックすると、Dropboxへ移動します。ユーザーがDropboxへログインしていない場合、Dropboxはログイン又はアカウント作成の画面へ移動します。このステップが完了すると、ユーザーはWebmailへアカウントに対するフルアクセス権を与えるかどうかの確認ページへ移動します。「許可」をクリックすると、ユーザーは元の画面へ戻り、認証が成功したかどうかを示すメッセージが表示されます。認証情報は1週間使用する事ができ、次の1週間用には、もう一度同じアクセストークンで認証を行う必要があります。認証が行われると、ユーザーの受信メール画面にて、添付ファイルの隣にDropboxのアイコンが表示されます。アイコンをクリックすると、添付ファイルがユーザーのDropboxアカウントの/Webmail_Attachmentsフォルダへ保管されます。
WorldClientとLookOutのメール作成画面では、ユーザーは、HTMLエディタのツールバーにある(左上の)アイコンをクリックし、Dropboxアカウントのファイルを選択する事ができるようになります。この機能を使うのに、ユーザーはオプション | Cloud AppからアカウントやOAuth 2.0の設定を行う必要はありません。app keyとapp secretのみが必要です。
Dropbox対応はデフォルトで無効に設定されていますが、MDaemonのDropbox画面で有効化できます。ユーザー毎にDropboxの有効化や無効化を行うには、User.iniへDropboxAccessEnabled=Yesを追加して下さい。
Webmailサーバーの開始と終了を行うには、3つの方法があります:
1. | MDaemon GUIの左側にあるStats画面で、Webmailを 右クリックし、「有効/無効を切り替える」を選択します。 |
2. | "ファイル » Webmailを有効化" をクリックします。 |
3. | "設定 » Web & IMサービス" をクリックし、ウェブサーバー画面で、Webmailを内蔵ウェブサーバーで実行 をクリックします。 |
1. | ブラウザで、 http://example.com:Webmailポート番号 を入力します。ポート番号の設定はWebサーバーで行います。Webmailでデフォルトのウェブ用ポート(ポート80)を使用するよう設定していた場合は、URLにポート番号の指定を行う必要はありません。 (例えば、 www.example.com:3000ではなく、www.example.com と指定します) |
2. | MDaemonアカウントのユーザー名とパスワードを入力します。 |
3. | ログインをクリックします。 |
1. | メニューバーの "設定 » Web & IMサービス" をクリックします。 |
2. | Webmail サーバーをこの TCPポートで使用する.へ、任意のポート番号を入力します。 |
3. | OKをクリックします。 |
Webmailにはユーザー向けのヘルプファイルが搭載されています。クライアント向けの機能については、Webmailからアクセスできるヘルプファイルを参照して下さい。
アドレス帳オプションに関する詳細は下記を参照して下さい: