このセキュリティ機能は、受信メッセージの「From:」ヘッダーを変更し、ヘッダーの名前の部分に名前とメールアドレスの両方を含めるようにします。これは、メールが他の誰かからのものであると見せかける、スパムや攻撃でよく使われる一般的な手法に対抗するための機能です。メーラーでは、メッセージの一覧を表示する際に、通常は送信者の名前だけを表示し、名前とメールアドレス両方は表示されません。メールアドレスを表示するには、まずメールを開くか、右クリックするか、メールにカーソルを合わせるなどの、他のアクションを取る必要があります。そのため、攻撃者は通常、「From:」ヘッダーで表示される部分には合法的な個人や会社名を使用し、一方で、不正なメールアドレスが表示されないようにします。例えば、メッセージの実際の「From:」ヘッダーは、Honest Bank and Trust <lightfingers.klepto@example.com> かもしれませんが、メーラー上では、送信者としてHonest Bank and Trustのみが表示されます。この機能は、ヘッダーで名前とメールアドレス両方の部分を表示するように変更します。上記の例では、送信者は"Honest Bank and Trust (lightfingers.klepto@example.com)" <lightfingers.klepto@example.com>と表示され、メールが偽装されていると判断しやすくなります。
Fromヘッダスクリーニング
表示名にメールアドレスを追加
このオプションを有効にすると、受信メッセージの「From:」ヘッダーのクライアント表示部分に、送信者の名前とメールアドレスの両方が含まれるように変更されます。新しいヘッダーの構造は、"Sender's Name" <mailbox@example.com> から "Sender's Name (mailbox@example.com)" <mailbox@example.com>となります。これはローカルユーザー宛のメッセージにのみ適用され、このオプションはデフォルトでは無効になっています。このオプションを有効にする前に注意深く検討してください。なぜなら、ユーザーによっては、詐欺メールを判断しやすくなるとしても、それ以上に「From:」ヘッダーが変更されることを望まない場合もあるからです。
名前の前にメールアドレスを追加
上記の「表示名にメールアドレスを追加する」オプションを使用している時、「From:」ヘッダーで名前とメールアドレスを入れ替え、メールアドレスを先に表示する場合には、このオプションを有効にします。上記の例を使用すると、"Sender's Name" <mailbox@example.com> は"mailbox@example.com (Sender's Name)"と変換されます。
表示名にあるメールアドレスが、実際のものと異なっていた際に置き換える
スパムで使用されるもう1つの手法として、実際の送信元のメールアドレスではないにも関わらず、「From:」ヘッダーの表示部分に見かけ上合法的な名前とメールアドレスを入れるというものがあります。このオプションを使用すると、このようなメッセージの表示されるメールアドレスを実際の送信者のアドレスに置き換えることができます。例えば、"Frank's Company (frank@company.test)" <spoof@example.com> は"Frank's Company (spoof@example.com)" <spoof@example.com>に変更されます。
例外
認証されたセッションからのメッセージを除外する
デフォルトで、認証されたセッションを通じて送信されているメッセージは、Fromヘッダスクリーニングから除外されています。セッションが認証されていてもFromヘッダスクリーニングを適用するにはこのチェックボックスを解除します。
ドメインメールサーバからのメッセージを除外する
ドメインメールサーバから到着しているメッセージは、デフォルトでFromヘッダスクリーニングから除外されています。ドメインメールサーバからのメールにもFromヘッダスクリーニングを適用するにはこのチェックボックスを解除します。
例外 - ドメイン
ページ上部のドメイン:ドロップダウンリストボックスで特定のドメインを選択し、設定を行う事ができます。ドメイン設定を保存すると、ここへ対象ドメインが一覧表示されます。表示/編集をクリックして、対象ドメインのFromヘッダーのスクリーニング設定を確認または編集するか、リセットをクリックしてドメインの設定をデフォルトのグローバル値にリセットできます。